新しい上司はど天然より、とても印象に残ったセリフがありました。
それが桃瀬君の元上司らしき男（実際は元同僚）が追いかけてきた際、白崎主任と桃瀬君がやり取りしていたセリフでした。
「水を掛けられたり、ボールペンで指されたり・・・そういう過去の桃瀬は遠くにい過ぎて守ってやれない・・・だけど今は違う」
「それは桃瀬が一歩一歩頑張ってここまで来てくれたから・・・」
この2つのセリフは白崎主任が桃瀬君に掛けていた言葉ですが、「ああ、そうだよな」と思ったところです。
パワハラに遭っていた当時の出来事については過去のことなので守ることも手助けも出来ません。
そして主任的にはそこまでの意味では伝えていないでしょうが、私はこのセリフの中でいくら手を差し伸べても本人が乗り越えていくしかないとも取れました。
26歳の桃瀬君、新卒からずっと前の職場にいたと考えると3年以上、壮絶なパワハラに耐えて来ていたことになります。
子供の低レベルないじめ？そもそもあそこまで酷い上司っているんだろうか？ってぐらいに酷い仕打ちと感じました。
新卒で入社した職場でこのような壮絶な経験をしてしまうといくら転職先の上司が優しかろうがど天然だろうが、それを度々思い起こしてしまうのは無理もないと思います。
これは体験した本人にしかわからない・・・年数が多ければ多いほど時間が掛かるはずです。
主任はパワハラに限らず、壮絶ないじめを受けた背景がないので何とも言えないところもありますが、桃瀬君の過去の仕打ちの話から自分の想像以上と感じたかもしれません。
しかし転職してきて、自分について来てくれ、傍にいるからこそ守ることができると・・・
本当に優しくて頼もしい上司です。
主任であれば過去を思い起こしてブルーになっても呆れられることはなさそうな気がします。
上司に限らず、このような人が身近にいればカウンセリング等の癒しのサービスはいらないってつくづく思います。
「前には進めていないと思っていたのにちゃんと遠くまで・・・歩いてきてた・・・」
「そうか・・・だから・・・だから・・・あの頃の自分が一番欲しかったものが、今、目の前にあるんだ・・・」
「なら僕も・・・それを守るために・・・」
この3つは白崎主任の後の桃瀬君の心の中のセリフですが、まずは転職という形だけでも一歩前に進んでいることになります。
転職後も主任の姿を見て一歩一歩前に進むことができるようになり、水族館の大型広告を任されました。
白崎主任のような最高の上司までは求めていなかったかもしれませんが、桃瀬君は「人の心に残る広告を作りたい」という想いから、それが出来る会社で働きたいという希望がありました。
本来、自分が求めている道に進むとパワハラ等の大きな人間関係のトラブルは起こりにくくなりますが、進んだことにより、仕事だけでなく、最高の上司をも手に入れることが出来た・・・
まさにこれ、シンデレラストーリーですよね！
それだけ自分のために色々提供していただき、守ってくれた最高の上司であれば自分がどうなっても守りたくなりますよね。
ちなみにあのパワハラ上司であれば桃瀬君見掛けたら水族館という場であろうとお構いなしにすぐに大声で追い回して来そうですね・・・
さすがの主任も桃瀬君の元上司のような人は苦手でしょうが、バッタリと直面してしまったらどう対応するのか？というのも気になりましたが、それもないのかな？と・・・
おっちょこちょいで怖がりな面はあっても芯がしっかりしている主任の前にはそのような人は現れないようになっているのかもしれません。
私は桃瀬君ほどの酷いパワハラは受けていませんが、この漫画の前半の頃はパワハラ受けた後に転職した職場を度々思い起こすことがありました。
その職場で顔合わせを担当してくださった上司も年齢的に白崎主任と同じぐらい、主任ほどではないけどちょっとミステリアス・・・クールそうで言葉数が少ない感じだったのでなおさら思い起こしていたんですよね・・・
特に最初の頃は声掛けられるたびにビクっとなったりすることもありました。
実際、人事異動で何ヶ月も一緒にいなかったので多くを把握することは出来ませんでしたが、苦言を言われたことはなく、優しい上司ではありましたが・・・
部署内には途中で合わない上司が異動してきたこともありましたが、仕事の指示をいただいていた上司には良くしただけ、トラブルになった時は私をかばっていただいたこともありました。
今までの職場すべてを振り返ると良くしてくれた上司や先輩はたくさんいらっしゃってもあそこまでまっすぐで正直に動ける人ってなかなかいらっしゃらないなって・・・
主任のような上司がいる職場が増えればパワハラは減り、平和な職場が増えそうですね。
